はじめに

北方領土返還要求運動というと、街で軍歌を流して歩く右翼の人達の反ソ運動を想い起こされるかもしれませんが、この運動は本来そうしたものとは全く違います。人類愛と正義をもって世界平和に努めるという綱領の下、日青協は地婦連等と共に四十五年より本格的に復帰運動を展開してきました。

現在、日青協は北方領土返運要求運動逓絡協議会（略称、北連協）という団体で、議長をつとめています。この北連協という団体は、①特定の政党に属する団体でないこと、②反ソ団体ではないこと、③日本国憲法を守ることを条件に、この運動をすすめている市民団体107によって構成されています。日青協はこの中で、北方領土返還要求運動を国民運動として発展させる牽引車的な役割を果たしてきました。

核兵器を頂点とした軍拡競争に歯止めがかからず、緊張状態が今尚続いている国際情勢の中、日ソ関係は決して発展的な方向に動いているとは言えません。日ソ間の最大の懸案である北方領土問題を、私達青年一人ひとりが正しく理解し、平和的にこの問題を解決していくことが、今求められているのです。