廃版(閲覧のみ可)
日本青年団協議会
エネルギーの危槙がさけばれ、原子力発電を開発する必要性が声を大にしてさけばれています。石油が有限な資源であることは、いまさら言うまでもありません。ですから、石油資源に依存した文明が、いつまでも今のようなペースでつづくことができると考えることは、現実的ではないでしょう。
日本の生活水準は、高度経済成長期にたいへん高くなったと言われています。しかし、「エネルギーと文明」という点からみると、エネルギーをムダづかいする生産と消費の生活様式が日本にはびこった時代でもあります。消費は美徳とされ、物は使い捨てにされました。いま、そのような生活様式にたいして反省の声がおこり、資源の再利用や商品の耐用年限の延長をはじめ、冷暖房のあり方やモータリゼーションヘの反省など、省エネルギー型の文化への移行の必要性がさけばれるようになってきましだ。
しかし、高度経済成長期にもたらされたエネルギー多消費型の生活や文化のあり方は、そう簡単にあらためられるものではありません。日本青年団協議会も、「私たち自身の生活様式や態度を根本的に考えなおし」、資源有効利用や代替エネルギー技術の開発を考えなければならないことを主張しています。エネルギー危機をのりきるためには、省エネルギーの実現と、石油にかわるエネルギー源の開発以外に方法はないでしょう。そして石油にかわるエネルギー源としては、石炭、太陽熱、水力、地熱、潮力、風力、波力などのほか、原子力も候袖に数えられ、とくに日本では、電力をつくるための現実的な手段として、原子力発電が強調されているのです。
ところが、原子力発電には、一九七九牛三月二十八日未明にアメリカのペンシルバニア州で起こったスリーマイル島原発の事故のように、安全性をめぐってさまざまな問題が提起されています。
原子力発電は、ほんとうに大丈夫なのでしょうか。 このパンフレットでは、原子力発電を考えるうえで最も重要になる放射能の危険性の問題についてくわしく解説し、原子力発電の安全性にかかわるさまざまな問題について取り扱おうとしています。また、原子力発電と核兵器開発との関連性についても、考えてみようと思います。好むと好まざるとにかかわらず「核時代」に生きる私たちとして、仲間だちといろいろ話し合いながら、この問題を考えてみようではありませんか。
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