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書籍タイトル:私の青年団改造論

  • 一般価格:864円
  • 発行:日本青年団協議会

目次

1 団員倍増! とにかくとにかく青年団の章
2 かわいい女になろう 女子団員の章
3 青年の家では酒を飲もうの章
4 活力のある地場産業づくりのための章
5 学習、そして兄弟仁義の章
6 地域に根ざして世のため人のための章
7 「つらいよな、リーダーってのは」章
 

はじめに

僕は、この数年まるで青年団の訓練犬のように、次々と出される課題にハアハアと息つきながら、山をかけのぼったり、片足立ちをしたり、谷をころげたり、目をつぶったまま火の中にとびこんだり、はては、けたぐり、かわずがえし、四の字固め、とったり、うっちゃり、猫はたき、松葉くずしにドロップキック、片すかし、といった初体験につぐ初体験。東奔西走、阿鼻叫喚、酒池泥酔の夜行列車、社会の窓のボランティア、沈思黙行、ふて寝、落ち込み。星月夜、なんだ坂、こんな坂、えんやこら。

まっ、そんなかんじで走りとはされてきました。出会った地酒も数十種、蔵出し、横流しの原酒まで合めて、実に、アルコールで溶かしながらの固い頭をしぼって、うんうんうたりながら、雑誌「青年」の編集部の高坂さんや嶋田さんに尻をひっぱたかれながら書きつづけたのが、なんとなくまとまってしまいました。

「誰のためでもない、自分のからだじゃないか、青年団」−こんなメッセージを送り続けてきたものをあらためてみると、「やはり・・・」と感じるものがあるのです。

それは、最初に出会った、全国青研の若い勇者たちへの驚きが、なお持続し続けているということなんです

とても困難な、日本の錘(おもり)ともいえる、村の岩盤に、けたぐりをかませ、頭つきをくらわせ、あるいは火イつけて燃やしちまったりしながら、かかんに取り組んでいるきみたちへの驚きの日々ということなんだが、この驚きをなんとかみんなのものにしなければ、そして落ち込んでたりする仲間たちに、そっと暗がりで、『実はなあ、こんなことをやってるやつがいるでえ』なんて手渡せるようにしたい、と書きつづったのが、「私の青年団改造論」でした

日青協で、それをまとめてくれるというのを聞いて、ホッと僕は胸が無くなるのを感じました。そして、僕が出会った青年団や団員の固有名詞は絶対にけずらない。つまりパーフォーマンスの臨場感がそのまま出てくるような、とりすましたものでない、きれいに整理されたものでない、少し雑然としていて、動きのある、そして僕の肉声の伝わるものにしたい、と思い込んでしまったのです。

まるで、おもちゃ箱をひっくりかえして提出するみたいなものが、これです。

さて、まず、僕は、青年団の行動がめざしているものは、あの都市型の市民運動とは異質の別のもっと新しいもの、困難なものをつくりあげていると思っています。

それは、日本の地殻構造の負の部分を、実に地縁の地点から、なんとか新しくしようとする姿勢があるからです。いままで負の部分を批判するものは、いつだって地縁的人間関係から逃げていたように思えます。

年団が、地縁的母集団を基礎にして、つまり、〈集落―学校区〉を集団の単位として行動しようとする組織診は、やはり「我れ住むところ、わが都」(むのたけじ)にするために欠かせない組織診なのです。そして、それが、生活の自立をめざすための最初の手がかり、出発点のような感じがするのです。

第二に、木村快さんが言った「ホンネを吐き出すことはうしろめたい」という、そのうしろめたさの弱さを大切にし、そこをあくまでも行動の発火点にしようとする、人問診に倹は、新しい人間関係のありかたを感じるのです。ホンネで結びあう人間関係を絣しつづけるという、つまり機能や目的で人間が結びあうのとは違う心の結ばれ方のあたたかさのなかにこそ、新しい時代の人間のありようを僕は感じるのです。

第三に、青年団のなかまたちの、生きがい、いのちの実現の場を、「故郷」におこうとする方法について、僕は新しい時代は青年団がつくるのだという想いにうたれるのです。

僕たちは、いつの時代も「どう青春をすごすのか」というはてしない議論をかさねてきたました。そしてまた、これからきみたちのあとをついてくる弟や妹たちもまた「僕らは、どうやって生きているのか?」と質問をくりかえしつづけるに違いないのです。

そして、その質問に対する、あるたしかな回答の手がかりが、原郷あるいは故郷(ハイマート)つまりなつかしい村>のもつ手ざわりなんだと思うのです

この本は、そんな三つの想いがこめられています。

これから青年団をつくろうというきみ、青年団に入ったばかりのあなた、青年団うまくいかなかったと後悔しているOBのきみ、公民館のセンセ、『近ごろの若いもんは・・・』なんていってる老人クラブのおじさん、『アハハハ、三役にさせられちゃった。・・・・・』という役員のみなさま、青年団の仲間となんとか成長したいというきみ、『青年団なんてダサイわねぇ・・。』とつぶやいているあなた、なんか本箱をかざりたいというきみ、平凡パンチにあきたらないきみ、あしたは、青年団改造論だあ!

1983年3月
小松光一

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