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九州北部豪雨の被災地を訪れて

日本青年団協議会 高嶋 聡平

 私は日本青年団協議会の事務局として、去る2017年8月13日に、日本青年団新聞の取材で、九州北部豪雨で甚大な被害を受けた被災地の一つである福岡県東峰(とうほう)村へ向かい、東峰村青年団の福島彰隆さん、役場職員の熊谷貴範さんのもとを訪ねた。 今回は、実際に被災地を見て感じたことを書かせていただく。

 今回私が訪れた東峰村は、福岡県の南東部に位置する林業と焼き物が盛んな自然豊かな村だ。 そんな東峰村に2017年7月5日、台風3号が牙をむいた。9時間で700mmを超えるほどの豪雨は、川を増水させ、山では土砂崩れが相次いで発生し、濁流や土砂、流木が民家を押し流すという甚大な被害をもたらした。 取材当日も山の周辺は土嚢が大量に積まれており、山の斜面は至る所がえぐれ、土砂崩れの影響で通行止めになっている道もあり、被害の爪痕が未だあらゆる場所に残っていた。 福島さんは「今回の被害は人によって拡大した、いわゆる人災という一面もあった」と語っており、林業が盛んな東峰村では木を狭い間隔で大量に植えていたため、根が十分に育たず、土砂崩れが起きやすい状態になっていた。

 人災の側面をもつ被害というのは自分の中にはなかった発想であり、私の中で災害に対する見方が変わった。 今回東峰村の惨状を目の当たりにしてきたが、落雷で燃えてしまった民家を見たことは強く心に残っている。 ニュースや新聞で映像、画像を通じ被害の様子を知ることと、実際に自分自身の目で見ることでは、印象が大きく変わるのだと感じた。 2016年の日青協事務局研修で、東日本大震災の被災地である福島県を訪れた時も同じことを感じたが、やはり実際に被害の様子を見ると災害に関する意識が変わる。

 今回の取材を通じ、私のふるさと東京に震災などの災害が発生した時、自分自身ではどのような対応ができるのか今一度考えさせられた。 同時に、これまで持っていた防災や減災に対する意識の薄さを実感した。今後も新聞の取材や事業を通じ、自分の知識を深めていきたいと思う。

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