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つながりがくれた、未来

福島県 NPO法人ビーンズふくしま 木戸 彩愛

 東日本大震災。未曽有の震災からの復興は、遅いと叫ばれながらも少しずつ進んでいる。絶えず課題を抱えながらも、私たちは生きている。

 震災後、避難生活を送る人はどのようにして自分の未来を思い描くのだろう。社会の中で困難にぶつかっても自分の力で問題を解決しようと努力できる、そんなエネルギーを身に着けるためには何が必要か。そして、そのエネルギーを醸成するために震災によって失われたものはあったのか。

 私は震災によって仮設住宅などで避難生活を送る子どもたちが、被災していない人との体験格差により、進路選択の幅が小さくなることを防ぐため、失われかけていた人とのつながりを持てる学び遊びの場として居場所活動に参加してきた。

 震災から8年。東日本の震災復興支援規模が縮小され、仮設住宅の解体も進んでいる。私が参加していた居場所活動もついに、平成30年度を以て段階的に縮小し、終了することになった。自分ができることはやった。やれているつもりだった。けれど、それで良いのだろうか。そもそも、どこまでが「復興支援」なんだろうか。そうした疑問が私の中に残る。震災によってばらばらになってしまったつながりを「仮設住宅」で作り上げた新たなコミュニティ。今度は仮設住宅の解体によって、仮設コミュニティが失われることになるのかと感じる。度重なる移住生活に疲弊する家庭は多く存在する一方で、多感な時期をそうした日々のなかで過ごす子どもたち。進学、進級に伴い自立に向け、自分自身と向き合っている若者たちが抱えるものは、震災を経験した被災者であろうとなかろうと関係ないように思える。

 今、私は子ども若者のための居場所活動に取り組んでいるが、元々は震災によって避難生活を送る子どもの支援者としての活動がきっかけだった。当時、私が関わっていた子どもが、“まったく違うところでの活動に参加し、また再開することができる”そんな場面に出会う度、「ああ、人とのつながりってこんなところで未来につながっている」と感じる。今思えば、子どもたちが復興支援として取り組んでいた活動も、参加していた子どもたちにとっては、そこが「居場所」だったのではないか、そんな気がしている。同時に、どんな状況、環境にいる人にも「居場所」があることで、社会の中で自分自身に向き合い、自分らしく生きていくための力が備わっていくのではないかと思う。もし、そうであるなら「居場所」活動を続けることで人とのつながりが生まれる。そのつながりが私や関わっている人たち、それを囲む社会を未来につなげてくれると願って、今日も私は「居場所」活動を行う。

活動に参加した子が仮設住宅を撮影した写真

仮設住宅の近隣公園で子どもたちが遊んでいる様子